
History
AG Lifterは2018年にニュージーランドのオークランドで誕生したオーディオラックブランドです。
創設者のAndre Gil(アンドレ・ジル)氏はレースカードライバーであったと同時に振動制御の専門家であり、1999年にAE Gil Technologiesというレースカー専門のエンジンパーツメーカーを設立し、フェラーリやシボレーといったメーカーに対しエンジンやその周辺機器の対振動耐久性を上げるコンポーネントを供給してきました。
車と同時にオーディオファイルだったアンドレは、エンジンパーツ製造で培った振動対策技術をオーディオに応用できないかと考え、振動対策が一番大切なのはラックだと着目します。
試行錯誤を繰り返し、2018年にCrescendoとApolloという2つのシリーズのオーディオラックを完成させました。
Technology
共振の処理にはそれらに関する専門的な知識が必要不可欠であり、AG Lifterは豊富な機械振動工学の経験を活かして他社製品とは一線を画す独自のアプローチでこの課題に取り組んでいます。
AG Lifterの設計は、オーディオ機器からアクリルラック板を介して不要な共振を排出し、AG Lifter Dulcet 19 アイソレーションフットで減衰させます。その後共振成分はラックフレームへと伝達し、AG Lifter独自の合金押出成形のパーツとラック柱を通して空気中へ放出させます。「ライブフレーム」と呼ばれるこの手法は、ラックが共鳴やエネルギーを蓄積せずに空気中に放出させるところに大きな特徴があります。

この一連の共振処理は、ラックレイヤー間のカップリングとデカップリングを通じて繰り返され、最終的にAG Lifter が開発したDulcet 20 アイソレーションフットによって床から振動遮断が行われます。
また、 AG Lifterは精密な設計により、複数の素材を層状に重ねて使用しています。これは単一の素材だけでは共振制御を効果的に実現できる特性を持つものは存在しないからであり、例えばDulcet 19および20のアイソレーションフィート技術は、共振を吸収するベアリング、減衰金属層、特殊デュアルショアニトリルラバー層(DSN)、二次減衰金属層、そして最後にニトリルラバーに張力を与えるSSグラブネジで構成される5層システムになっています。
AG Lifterの全製品に採用されている「H」フレーム設計は、設置する機材のサイズに応じてフレーム位置の調整を可能にし、ラックとしての効果を最大限に発揮する為に不可欠なフレームの張力調整という重要な調整を可能にします。ビームロックテクノロジー(BLT)は、デジタルカットされたフレームの位置と張力を調整します。
AG LifterのフラッグシップシリーズであるApolloフレームは奥行きのある形状で設計されているため、調整範囲が広くなっています。Apolloラックの上部には、構造全体の張力調整用に追加の「H」フレームが標準装備されています。 Apolloモデルには、高性能コーティング(HPC)真鍮製のDulcet部品とキャップが標準装備されています。これにより、より大きく深みのあるサウンドステージが実現し、音楽演奏全体のスケールが高まります。Apollo シリーズの4段ラックには、実に352個の部品と合計15.6mの合金が使われています。
Crescendoモデルでは、「H」フレームをオプションでアップグレードできます。Crescendoシリーズでは、アルミニウム製のDulcet部品とキャップが標準装備されています。標準の4段のCrescendoは、287個の部品と合計11.4mの合金が使用されています。

