Reed 2Bは3つの新しい機能を兼ね備えたトーンアームです。
1.重いカートリッジへの対応:新開発の超低抵抗セラミックベアリングを採用する事により、最大35gのカートリッジまで対応する事が可能となりした。
2.他のReedアームとは違い、2Bは全て組み立てられた状態で出荷されます。ユーザーはアームを組み立てる必要なくターンテーブルへ設置するだけの簡単インストレーションで、設置後の調整はVTA、VTF、アジマス、アンチスケーティングのみです。
3.アンチスケーティングフォースの調整がレコードの始めと終わりを個別に調整可能となりました。近年のカートリッジには様々なスタイラス形状やフリクションフォースがあり、それらに柔軟に対応可能する為アンチスケーティングフォース調整を2つ設けています。
2Bのアンチスケーティングフォース調整理論
スタイラスがレコード溝をトレースする際、摩擦力によりレコード溝に対して接線方向の前進力が発生します(Fig.1 アンチスケーティング)
F=mN m – 摩擦係数, N – スタイラスフォース (VTF).
フォース”F”の方向はピボットとスタイラO2-Aから90°+αずれていますが、この力はピボットO2に対し時計方向のモーメント”M”を発生させ、この力がスタイラスをスピンドルO1方向へと引き寄せようとします。
スタイラスがレコード溝の内側に押し付けられるときに発生する力の不均衡を避けるためには、レコード上の全ての位置においてモーメント M を完全に除去する必要があります。 このモーメントは次の方程式で表すことができます。
F、L、D は定数である一方、R はスタイラスの位置に応じて変化します。
モーメント M は R の関数として表すことができます (図 2 Theoretical)。 実際には、記録のさまざまな時点でのスケーティング力を決定するための実験が実行されました。
Reedではレコード内の再生位置によるスケーティングフォースの実測実験を行いました。
完全にマットで滑らかなテストレコードを使いReed 3Pで実験した結果、スケーティング力の違いがレコードの最初、中盤、最後ではっきりとわかります。(Fig 3. Practical)
理論的には、モーメント M は反対方向に等しい力(-M)を与えることで打ち消す事が出来ます。 (Fig.1)。 しかし殆どのトーンアームではM は単一の力でしか設定が出来ない為、スケーティングフォースが完全に除去されるのはレコード上の限られた位置のみとなってしまいます。
従って、本来はレコード上の位置(直径)に応じてアンチスケーティング力を調整できるトーンアームが必要なのです。
トーンアーム「リード 2B」は、レコードの再生中に 2 つのアンチスケーティング調整ハンドルをいつでも調整することで、アンチスケーティング力を制御することができます。
Reed 2B 仕様
実効長インチ | 9.5″ | 10.5″ | 12″ |
取付寸法mm | 223 | 251.6 | 295.6 |
オーバーハングmm | 17 | 15.4 | 13.4 |
オフセット角° | 22.9 | 20.7 | 17.6 |
出力端子 | 5pinDIN | 5pinDIN | 5pinDIN |
カラー
アームパイプ種類
アームパイプは標準がココボロですが、他の木材も選択可能です。
アームパイプ実行質量
アームパイプタイプ | 有効長 | 有効長 | 有効長 |
9.5″ | 10.5″ | 12″ | |
ウェンジ | 10g | 12g | 14g |
マカッサーエボニー | 12g | 14g | 18g |
ココボロ | 12g | 14g | 18g |
チーク(ライト、ダーク) | 8g | 10g | 12g |